移動式のブログ

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人間は反抗的であるべき

従順さは殺人を肯定できる

『なぜ僕は「炎上」を恐れないのか(イケダハヤト)』と言う本を見た。
この本の「クソ真面目な精神」についてのところで、クソ真面目な精神を持つ人は自分の善悪感覚にそって行動することのできない人間であると書かれている。
例えば、「命令されたからその通りに従ったまでだ」みたいに、自分の頭で考えず、権力者などに言われたことをうのみにするような事である。

ナチスドイツのアドルフ・アイヒマンは、ユダヤ人を何百万人も収容所に移送した。
つまり、ナチスの大量虐殺に加担した凶悪な人物であると思われるだろう。
しかし、アイヒマン自身は決して反ユダヤでもサイコパスでもなく、一般的な役人に過ぎなかったようだ。
この事は、「アイヒマン実験」で、確認されているようだ。

アイヒマンはじめ多くの戦争犯罪を実行したナチス戦犯たちは、そもそも特殊な人物であったのか。それとも妻との結婚記念日に花束を贈るような平凡な愛情を持つ普通の市民であっても、一定の条件下では、誰でもあのような残虐行為を犯すものなのか」という疑問が提起された。この実験は、アイヒマン裁判(1961年)の翌年に、上記の疑問を検証しようと実施されたため、「アイヒマン実験」とも言う。
実験の結果は、普通の平凡な市民が一定の条件下では冷酷で非人道的な行為を行うことを証明するもので、そのような現象を「ミルグラム効果」とも言う。

Wikipediaより引用
ミルグラム実験 - Wikipedia


アイヒマンは、命令に忠実に従っているだけの、一般的な役人に過ぎなかったようだ。つまり、ユダヤ人に対して強い恨みがあるわけでもなく、単に「これは自分の仕事であり、上から命令されているからその通りにやっているだけだ」という感覚であるだろう。

自分の善悪感覚ではなく、権力者の命令や組織内のルールを重視して、判断を下しているということだ。
これは、その組織にとっては都合の良い事である。
しかし、組織や権力者に命令されたからということを免罪符にして、よく考えてみればおかしいと思うようなことを実行できてしまうということは危険である。

一つの組織に従順な人間が増えれば増えるほど、その組織のトップは力を持ってしまう。
反抗的な人間が多くいたほうが、権力が暴走することを防げて良いということだ。

特に良い例がブラック企業である。
ブラック企業で真面目に働く人間がいるからブラック企業が潰れないわけだ。
社員がみんな高い給料払わない限り働かないと言い出せば、その会社は給料を上げざるを得なくなる。
また、それが出来ない会社は、人材がいなくなって倒産するので、その後にその会社に入社してブラック労働に苦しむ人が出る事を防げる。
そうすれば、労働環境の質を上げることが出来るだろう。



反抗的であることは悪なのではなく、悪を抑制する効果がある。
従順な人間がたくさんいれば、それらを従えているリーダーは強い力を持つことになる。その結果、独裁国家を作るなどしてホロコーストを行ったナチスのように殺人が正当化することさえ可能になる
どんなに悪い独裁者でも仲間が全くいなければ、一人の無力な人間だ。その独裁者に従う人間がいるから大きな力を持つことが出来るし、国を作ることも、法律を自由に作ることもできる。つまり、従順な人間は間接的な人殺しである。

どんな悪い人間でも生身の人間である以上、一人だと弱い。
そのため、悪い独裁者に従う人間がいなければ、その独裁者は好き勝手なことはできない。
そのため、反抗的な人間がたくさんいれば、悪い権力者は淘汰されていく。
そして多様性を認める健全な組織が増えていくので人間社会の質は高まる。

なので、人間は組織や権力に対して反抗的であるべきだ



ここでいう「反抗的であるべき」と言うのは、自分が正しいと思うことを躊躇なく発言する、実行することを言っている。
なんの理由もなく単に周りに反抗するとか、自爆テロみたいな人に危害を加えるようなことをやれとかそういう意味ではない。
非暴力な反社会的人間であろう。


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